Oko diary

雑記ブログです。日々思ったことを書いてます。音楽、映画、読書なんでも好きです。

うちの寮母

 

今日は仕事帰りに社員寮に寄った。

私は入社してから妻と同棲するまでの数年間、社員寮に住んでいた。

社員寮の住所から今のアパートにまだ住所変更していないもの(ケータイの契約とか諸々)があるため手紙が寮に届いていないか確認するためである。

会社から徒歩10分程度の場所にあるため寄るのはたやすいのだが

立ち寄る機会がなく結局約2年ぶりに寮に足を運ぶ形になった。

 

寮の敷地内に入ると当時と全くと言っていいほど変わっておらずなんだか安心した。

新しく入寮する人もめっきりいなくなり住んでいる人もほんとに少なくなったと聞いていたのでずいぶんがらんとしているのではないかと思ったが、私が出て行った当時のままだ。

 

適当なところに車を駐車すると寮母さんが顔を出した。

最初はきょとんとしていたので私の顔を忘れたのではないかと思い

もののけ姫のアシタカよろしく自分の名前を大声で名乗った。

寮母さんは70くらいの小柄なおばあちゃんだ。

これだけ聞くとかわいいおばあちゃんという感じだが

煙草もゴリゴリすうしパチンコもするし生意気な寮生とバチバチに喧嘩する

ファンキーばあちゃんである。

私はそんなファンキーばあちゃんを今までの人生で見たことがなく、出会った当時は新鮮だった。

私は副寮長だったので寮母さんが寮生やうちの総務の社員の愚痴があれば

積極的に聞いていた。

基本的に寮の清掃に来る社員の愚痴と寮母さんにたてつく寮生の愚痴がメインである。

私は寮母さんの愚痴をただひたすら聞いていた。

 

「あら〇〇さん久しぶりじゃない!」と

久しぶりの寮母さんの声に少し懐かしい気持ちになった。

私が結婚したことから最近の寮母さんの愚痴と

募る話もしたところで食堂に入り手紙がないか確認した。

しかし寮の方には私宛の手紙はなかった。

なんでも最近は元寮生の手紙はめっきり来なくなったらしい。

まぁないならないに越したことはないので良しとするかと

寮を後にしようと思ったときに寮母さんが携帯を持ってきた。

どうやら携帯を最近新しくしたようで今まで入れていたアプリが消えてしまったらしい。

あまり寮母さんは機械に詳しくないのでどうやってインストールしたらいいかわからなくなったそうだ。

おそらく寮生もほとんどいなくなり頼れる人がいなく私がちょうど来たので頼もうと思ったらしい。

 

「海外のラジオが聴けるアプリなんだけどインストールできるかしら?」

 

私は寮母さんの携帯を借りアプリをインストールした。

いろんな国のラジオが聴けるアプリでジャンルは寮母さんの好きなジャズを選んで聞かせて見せた。

 

「いい感じだわ」

 

寮母さんもご機嫌になりお礼に冷蔵庫に入っているブドウをもらった。

 

結局手紙ではなくブドウをもらう羽目になったのだが久しぶりに寮母さんの顔が見れてよかった。

胸がすっきりした感覚があった。

 

しばらくあっていない人と久しぶりに会うとその人といい時間を過ごしたように

錯覚する。

実際寮母さんには他の寮生と同じように一方的に怒られることもあったし

寮の生活環境がいやだった事実もあるので決していい思い出ばかりではない。

ただこうやって久しぶりに会うといやな思い出も忘れて、お互いがまた会えたことに喜びポジティブな気持ちになれるなと思った。

 

人との距離感はこれくらいがちょうどよいのかもしれない。

 

それでは また明日